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9月になりましたが、皆さん夏の疲れが出てきていませんか?
ペルケノーの厨房も夏の間は空調を入れてもとても暑い。死ぬほど熱い。
だからいつも9月ぐらいに夏の疲れがやって来る。

でもお客さんは秋を求めてやってくる。少し矛盾?
しかも子供たちと7月から毎週、海とプールに行ったので休みがなかった。
今年の夏はよく遊んだと思う。

今年の7月でジム歴4年目になります。がんばりました。
でもこの夏の疲れが出る時にあえてジムに行って体力を使うのはおかしいとお客さんから怒られます(笑)。
今まではジムに週3~4回目標に行っていましたが、この夏から週に20km走るのがノルマと決めました。もちろんジムで。筋トレもします。かなりきついですが。。。

もちろん自分の体力維持もあるけど今の時期は‘素材に負けない身体つくり’がテーマです。
12月までの体力を今付けないと素材のパワーに負けてしまう。

今日、前原で捕れた仔猪を取りに行きました。同じ日に岡山の日本鹿も入荷しました。
秋が始まり猟が始まると野生の食材が楽しみです。
かなりの量を仕入れるのと鴨なども毛付きで来るので処理するのに時間がかかります。
仕入れと処理は自分でするので大変です。
しかしその素材を‘美味しく’したいから、どんな肉が来ても(100kgの鹿も来ました)負けられません。
そのためには今頑張って体力をつけるしかないと思う。
ジビエは家禽に比べて個体差が大きいのでかなり気を使います。

10月は白トリュフも入荷します(1kg90万~100万円)。
11月はイベント(8周年)もしたい。
僕はジビエと白トリュフは人に負けたくない。
イタリアのレストランで働いていた時、お客さんが自分で撃った雉と鹿を持ってきたことがあった。(もちろん毛付きのまま)そのまま2~3日後に食べにくるからと言って帰ってしまって 少し途方にくれたけど、それから大好き。
そのお客さんもすっごく喜んでくれました。

パワーを持っている食材を使うには 自分にもパワーが要ると思う。
そこで何かが生まれる。
だから頑張れるのかも。

最近の偽装問題は本当にひどいと思うけど、最初はみんな一生懸命だったと思う。
一部の人間と利己主義のおかしな人がいるだけで、初心を忘れていない人もたくさんいるはずだと思う。会社が悪いのか人が悪いのか。

僕は食材を裏切りたくない。そこにはいろんな人の思いがあるはずだから。
走っている間は‘無心’になれる。
だからまた食材と初心で会えると思うし、人の感情というものを考えてしまう。
美味しい物を美味しく感じられるためには。。。。。

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なんか急に秋めいたりしてふとイタリアのことを思い出してしまう。
今から15年も前になるわけだから確実に歳をとったわけだ。
でもイタリアの4年間は寂しさと楽しさとの思い出は語りつくせないかも。
日本に27歳で帰ってきたときストレスをすごい感じた。それから10年がたった。
たまにはイタリアのことを思い出して書いてみよう。

1993年夏、22歳でイタリアに行った。初めての海外。
キャセイパシフィック航空で23時間ぐらいかかった。
その時はそのチケットが一番安かったから(片道切符)。
ミラノとローマの場所も知らずロンバルディアで働くのにローマについてしまった。
今 考えると不思議。

お金もなかったし言葉も全然わからなかったから、駅で切符を買う時にお釣りをごま化された。
とりあえず、やっとのことで最初の店にたどり着き、イタリア生活が始まったわけだ。
言葉が分からないのに1週間でメイン料理の担当をさせてもらった。
オーダーと料理は把握できていたから、すんなりとレストランの生活になじめたのも不思議だった。イタリアが自分に合っていたと思うし、日本より楽しく仕事ができた。

しかし‘言葉’の壁はすぐに見えた。
一緒に働いていたアフリカ人が自分のミスを僕のせいにしたのである。
でも 何も説明ができないわけで …本当に苦しかった。
…言葉の出来ない自分のせいなのである。

それがまず最初の‘壁’だったと思う。
それから 独学でイタリア語を勉強する日々が始まった。
その壁を超えたとき すごくイタリアが好きになった。
それからいろんな人と知り合い、本当にいろんな事を考えた。
ホテルのシェフにもなったし、将来の不安とかイタリアに永住することも考えた。
もちろん料理のことも。
でも 自分の好きなトスカーナの四季の景色に心を奪われたとき 人生が変わったかも。
日本の四季も同じだから。

しかしイタリア語でものを考えるのと日本語でものを考えるのは僕にとっては違う。
イタリアの四季と日本の四季は違うけど、いろんなことが分かり始めた時だったと思う。
でも共通点もある。
秋の色と香りである。
一瞬の変化に戸惑いながら心はときめくそんなイタリアのような秋の色と香りを感じる今年の秋である。

壁を乗り越えるパワーと人への優しさ、そんなことを考えながら半月を眺めると変わらぬ月の美しさ優しさが何かを与えてくれているように思う。

でも人間である。
秋の色と香りを表現してみたいと思う。
美味しい‘茶色’を。